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2023年02月24日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
銀行に預けているお金を自由に引き出せなくなる「預金封鎖」は、
世界でたびたび起きています。
過去には日本も経験しており、繰り返される可能性も考えられます。
もし預金封鎖が起きれば、会社は取引先や従業員への支払いができなくなり、
たちまち混乱に陥ってしまうでしょう。
そこでこの記事では、預金封鎖の目的や影響、日本で起こる可能性、
経営者が知っておきたい資金対策について解説します。
リスク分散のためにも、ぜひ参考にしてください。
預金封鎖とは「銀行の預金の引き出しを制限する、
あるいは禁止すること」です。
国の財政を立て直す金融政策や、
犯罪を防止するための対策として政府により実施されます。
預金封鎖が行われると、引き出せる預金の上限や回数が設けられるほか、
全額を引き出せない場合もあるため、
預金者にとっては大きなリスクです。
過去には、日本をはじめとした世界中で預金封鎖が起きています。
・1946年 日本
・1990年 ブラジル
・1998年 ロシア
・ 2001年 アルゼンチン
・2002年 ウルグアイ
・2013年 キプロス
・2021年 レバノン
日本を含めたこれらの国々の共通点は、
預金封鎖を行ったときに経済状況が悪化していたことです。
日本がもし再び預金封鎖を行うとしたら、
経済的な危機に直面しているときである可能性は高いでしょう。
預金封鎖の仕組みは、以下の通りです。
(1) 預金封鎖で国は国民の預金を差し押さえます。
(2) 預金者に、自由にお金を動かせないようにします。
(3) その後、国は預金額に対して税金を課します。
(4) そして「国民の預金が国の財源」になります。
戦後に日本で行われた際は、預金のほか、
不動産や株式、国債、金などすべてに課税されました。
預金の場合、口座から直接徴収されるため、
預金封鎖後は支払いを拒否できません。
当時の額で10万円以上の資産を持つ世帯に、25~90%の税金が課されました。
資産額に応じて税率が決められたため、
資産の多い人ほど高い税金を支払ったことになります。
実際に預金封鎖はどのようにして行われたのでしょうか。
日本とキプロスの例をみていきましょう。
日本政府は、国内の激しいインフレーションを背景に1946年2月16日、
「総合インフレ対策」を発表しました。
その内容は、2月17日以降に全金融機関の預貯金を封鎖し(預金封鎖)、
現行の10円以上の紙幣を3月2日限りで無効にするというものです。
そして、5円以上の現金を強制的に金融機関に預入をさせ、
生活費や事業費などに限り新円による払い出しを認めました。
これを「新円切り替え」と言います。
注目したいのは、預金封鎖が前日に発表されたことです。
預金者は対処方法を考える時間もなく、預金封鎖を迎えました。
そして、新円切り替えという手段により、
手持ちの現金も預けざるを得ない状況になったのです。
もし現実に起きたとしたら、預金封鎖が明らかになる前に、
しっかり備えておく必要があるでしょう。
キプロスの場合は、2013年に起こったギリシャ危機がきっかけでした。
運用していたギリシャ国債が暴落し、巨額の損失を抱えたのです。
そこでEUに支援を求めたところ、
キプロスも負債の一部を負担することを条件に受け入れられました。
キプロスはまず預金封鎖を実行します。
そして、当時キプロス国内で1、2位だったキプロス銀行とライキ銀行の預金に着手。
預金が10万ユーロを超える場合、その超過した金額を全額没収したのです。
当時の10万ユーロは、日本円で1千200万円程度。
資産の多い人の預金は消えてなくなりました。
経済危機になれば、自分の資産が守られる保証はありません。
いつか訪れるかもしれない危機のために、
自分の資産の預入先を含めた運用方法を見直してみる必要があるでしょう。
預金封鎖は、主に次の2つの目的により行われます。
1については、預金封鎖により市場に流通するお金の量を減らし、
商品の価格が急速に上昇するハイパーインフレを抑える狙いがあります。
ブラジルで起きた預金封鎖は、ハイパーインフレが一つの要因であるといわれています。
2は、封鎖した預金を徴収することで、国の財政赤字を補うというものです。
先のキプロスの例にあるように、巨額の損失を埋めるために行われた事例があるほか、
公的債務の返済ができなくなった後に預金封鎖を行ったアルゼンチンのケースもあります。
ハイパーインフレが起こり、国の財政赤字が膨らんだときは、
預金封鎖が起こりやすいと言えるかもしれません。
預金封鎖が日本で起きた場合、日常生活や事業活動など、
さまざまな場面で影響を受けます。
差し迫った問題としては、
預金が動かせない状態のまま取引先の支払期限が迫る、
また従業員への給与の支払いも従来のようにはできないことなどが考えられます。
長期化するケースも考慮に入れると、
これまで経験したことのない状況に対処する覚悟が必要です。
社会全体の問題としては、
主に次に挙げる3つの影響を大きく受けると予想されます。
一つ目は、預金封鎖により日本円の信用力が低下することです。
国の財政が悪化している状況に加えて、預金封鎖も行われるとなれば、
世界の信用を得ることは難しいでしょう。
円が売られて、円安が進む可能性が考えられます。
それに伴う、輸入品の高騰もあるでしょう。
二つ目は、景気悪化によって倒産する企業が増えることです。
預金封鎖が行われれば、売上代金の収入が減るほか、
仕入代金の支払いも滞ることが予想されます。
まともな企業活動ができなくなることで景気も後退することは否めません。
三つめは、企業の倒産により失業率が増加することです。
他にも、景気の悪化により経営が立ち行かなくなり、
企業が人員削減などの取り組みを進める可能性もあります。
これに伴い、所得の減少を引き起こす場合もあるでしょう。
日本で預金封鎖が起きたときの影響について見てきました。
では、実際にどのような状況になると預金封鎖が行われるのでしょうか。
その主な原因は、国の財政状況の悪化と、
過度な金利の上昇(ハイパーインフレ)の2つです。
一つ目は、国債などの借入金の残高が増え、
国の財政状況が悪化する場合です。
日本の債務残高は、2022年度末で過去最高を記録していることに加え、
GDPの2倍を超えて主要先進国の中で最も高い水準にあります。
出典:日本の財政の状況 財務省
債務残高がこのまま増え続ければ、
財政状況が深刻化する可能性もあります。
日本は年金や医療、介護などの社会保障に関する支出が多く、
今後も増えていくことが予想されます。
その支出を支えるための収入を、
預金封鎖により調達することもあり得るでしょう。
二つ目は、物価の価格が過度に上昇するハイパーインフレが起こった場合です。
物の価格が上がり過ぎて通貨が信用を失い、物価が上昇し続ける状態は危険です。
預金封鎖を行う目的の一つに、
ハイパーインフレを抑制するというものがありました。
これは、市場に流通するお金を減らして物の価格を下げるという理由からです。
そのため、もし日本でハイパーインフレが起こった場合、
その対策の一つとして預金封鎖が実施される可能性はあります。
最近の日本では、食料品をはじめ、さまざまな物品やサービスにおいて、
値上げを実感することが多くなりました。
とはいえ、アメリカやイギリスに比べるとまだ低い水準ですが、
このまま物価上昇が続けばハイパーインフレになる可能性もあるでしょう。
日本では、1946年に預金封鎖が行われています。
第二次世界大戦後の物資の少ない中、
需要が供給を上回るハイパーインフレが起きました。
これを抑えるため、政府は預金封鎖と新円切り替えを実施。
「生活費や事業費などに限って新円による払出しを認める」とし、
5円以上の現金を強制的に預入させたのです。
預金を引き出す金額にも制限が設けられ、
1カ月に世帯主は300円、世帯員は100円までとされました。
現在の価値にしておよそ12万円と4万円です。
さらに、資産額に応じて税率25~90%が課されたというのは先述の通りです。
5円未満の小額紙幣は封鎖を免れるため、
10円や100円で切符を買って小銭の釣り銭をもらおうとする人が、
駅に長蛇の列を作ったというエピソードもあります。
預金封鎖は世界で5~10年ごとに起こり、
日本も過去に経験しています。
加えて、近頃の物価上昇によるハイパーインフレも懸念されます。
この状態で、今後また日本で預金封鎖が起こるのではないかと考える人もいるでしょう。
現在のところ、日本で預金封鎖が起こる可能性は低いとみられています。
というのも、日本はこれまでデフレの状態が続いており、
そこから一気にハイパーインフレにはなりにくいからです。
また、OECD(経済開発協力機構)は、
日本のインフレ率が2022年の2.3%から2023年には2.0%に下がると予想しています。
ハイパーインフレは預金封鎖が行われる主な原因の一つです。
この原因が取り除かれることで、
預金封鎖が起こる確率も低くなると考えられます。
過去の預金封鎖では、預金封鎖と同時期に新円切り替えも行われました。
この経験から、2024年に行われる新札発行に合わせて、
「預金封鎖が起きるのではないか」といううわさもあります。
普及がどんどん進められているマイナンバーカードは、
「銀行口座などの個人情報」が含まれています。
さらに世の中の物価は上昇しており、
預金封鎖への国民の不安は少しずつ増しているのかもしれません。
しかし、現時点(2023年2月)では有力な情報がまだないため、
不安の感じる方は、今からできる対策を行っていきましょう。
預金封鎖の対策として6つの方法をご紹介します。
もし預金封鎖が起きたら、自分や家族をはじめ、
会社や従業員などが受ける影響は大きいでしょう。
いつ起こるのか予測が難しいからこそ、
事前にしっかり備えておきたいものです。
「あのとき対策をしておくべきだった」と後悔しないためにも、
できることから始めてみましょう。
預金封鎖対策になるだけでなく、
中には資産形成にも役立つ方法もあります。
資産を増やしながら、同時に対策を行うことも可能です。
一つ目は、貴金属を持っておくことです。
金などの鉱物資源には、限りがあります。
その希少性から、特に金の価値は下がらないばかりか、
長期的に見て上がり続けています。
預金封鎖が起きた場合、手持ちのお金の価値は下がる可能性があります。
一方、貴金属の価格はそのときの相場で変動しますが、
お金と違い価値がゼロになることは考えにくいでしょう。
この特徴から、貴金属は預金封鎖対策だけでなく、
資産形成にもなるのも魅力です。
二つ目は、タンス預金をすることです。
預金が自由に引き出せなくなったとき、手元に現金があると安心です。
当面の生活費程度の金額でも良いですし、
余裕があればもう少し増やして、いざというときに備えましょう。
預金封鎖が起きた際は、預金を引き出すために、
銀行の窓口やATMの行列に並ばなくても良いというメリットもあります。
ただし、新円の切り替えが同時に行われると、
価値が落ちる可能性もあるので要注意です。
あくまでも余裕資金の範囲内で準備をするようにしましょう。
三つ目は、不動産に投資しておくことです。
不動産価格が比較的安く、
低金利で借り入れられる時期を見計らって投資をすることで、
資産形成につながるほか、預金封鎖にも対応できます。
ここ数年、金利の低さから不動産投資ブームが続いています。
しかし、今後どのように推移をするのかを見守りながら、
慎重に判断する必要があるでしょう。
また、過去の事例にあるように、不動産に税が課されることも考えられます。
そのリスクを考えた上で判断することが大切です。
四つ目は、外貨を保有することです。
預金封鎖が日本円に対してのみ行われた場合、
外貨を持っていれば自由に使うことができます。
新円切り替えがあったとしても、外貨であれば関係ありません。
資産形成にも最適です。
ただし、今も続いているレバノンの預金封鎖では、
外貨預金の引き出しが制限されている状況です。
そのため、一定のリスクがあるのは事実です。
預金封鎖の方法によっては、
外貨も免れることはできないことを覚えておくと良いでしょう。
五つ目は、海外の金融機関に口座をもつことです。
外貨が日本の口座にあることで制限を受けてしまう場合でも、
海外の金融機関に口座を開設すれば、影響を受けることはありません。
預金を自由に引き出すことが可能です。
海外の口座を開設するには、オンラインでの申し込みのほか、
現地の窓口や日本に支店を持つ金融機関へ直接足を運ぶ方法があります。
事前に必要な書類をそろえられるのかを確認してから手続きを進めるとスムーズです。
六つ目は、海外移住も検討してみることです。
もし預金封鎖が起きれば、生活も仕事もしやすい環境であるとは言えないでしょう。
日本を飛び出して、思い切って海外で活躍するのも一つの方法です。
今のうちから世界に進出して、事業を行う基盤を作っておくのも良いかもしれません。
グローバルな視点は、企業経営においてますます求められています。
現在の事業の拡大、あるいは新規事業の立ち上げに挑戦してみる価値はあるかもしれません。
預金封鎖対策(4)でご紹介した外貨を保有することに関連して、
「外貨建て保険」という方法もおすすめします。
最適な資産運用には、銀行(外貨預金)・証券(運用資産の保有)・保険(保障)
をバランスよく保有することが重要です。
その点、この外貨建て保険は、
「外貨保有」と「保障機能」の2つの機能を持つベストなバランスです。
「外貨を保有すること」「保険をかけること」「運用して大きくすること」
の3つのメリットを得られます。
では、外貨建て保険の特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。
外貨建て保険は、たとえ日本円の価値が下がっても、
外貨を保有することでリスクを分散できます。
さらに、分散変額保険の場合、証券のように運用できるだけでなく、
死亡保障などの生命保険もかけることができるのが特徴です。
自分の身に万が一のことがあった場合、
一個人として、または経営者として、
残された家族や会社にできるだけのことはしたいもの。
外貨建て保険は、「外貨保有」と「保障機能」の両面を持ち合わせる、
経営者が一番「欲しい」と思う機能が詰まった商品です。
外貨や保険と一口に言っても、分からないことも多いと思います。
保険の種類には、定期・終身・養老・年金などがあり、
保険料の支払いも年払いや半年払いなどさまざまです。
これらの組み合わせを一人で考えようとしても、
何が一番良いのか迷うこともあるでしょう。
そんなときは、
「数ある保険会社や保険商品の中から、自分に合った商品を選んで提案する」
ヒューマンネットワークにご相談ください。
無料で複数の保険会社に一括で見積もりを申し込むことが可能です。
預金封鎖は、世界でたびたび起きています。
次に日本で起こる可能性もゼロではありません。
万が一に備えて、事前に対策を行うことも大事です。
ヒューマンネットワークでは、
「オーナー企業に特化した生命保険」の代理店として、
今回ご紹介した6つの対策に加え、外貨建て預金もおすすめしています。
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微力ながら全力でサポートしていきますので、ぜひ一度ご相談ください。
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