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2023年03月08日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
記録的な円安、石炭や液化天然ガス(LNG)の輸入価格高騰など、
2022年は暗いニュースが多い1年でした。
年頭に発表された日本経済の見通しも厳しいことが伝えられていました。
経済が悪化していくと心配されるのが「預金封鎖」です。
時折、国際ニュースで預金封鎖を行なった国の話題が流れることもあり、
知識として知っている方もいるでしょう。
もし、日本で預金封鎖が起こったらどうなるのでしょうか?
この記事では、日本で預金封鎖が起こったらどうなるのか、
住宅ローンや株への影響も交えて解説します。
預金封鎖とは、文字どおり我々が、
金融機関に預けている預金を自由に引き出せなくなる状況です。
預金封鎖を行うのは、主に政府です。
銀行単独でも、取り付け騒ぎや倒産の危機など
経営に重大な影響がある場合に預金封鎖を行なうことがありますが、
このような場合の預金封鎖はあくまでも一時的な措置です。
しかし、政府が行なう預金封鎖は、全ての金融機関に対して行なわれます。
預金封鎖が行なわれると、私たちは自分のお金を自由に使うことができなくなります。
企業も取り引きができなくなり、短期間で倒産する企業が続出するでしょう。
日本では、1946年に政府が預金封鎖を行い、
同時に財産税という名目で政府が個人の財産を没収しました。
その結果、戦争で混乱していた経済は一層混迷を極め、生活に困る人が続出したのです。
預金封鎖だけならば、株は対象外です。
しかし、過去の事例を見ると預金封鎖と財産税はセットです。
国が預金封鎖を行なうのは、国の財政が破綻寸前のときです。
1946年に日本銀行が預金封鎖をしたとき、
財産税を最大で90%かけて国家が個人の財産を没収しました。
ですから、「預金封鎖が行なわれる前に、財産を株に変えておこう」という手は使えません。
財産税によって株で保有している資産も課税対象になるでしょう。
預金封鎖が行われれば、当然日本経済は大混乱に陥ります。
企業の倒産も相次ぐと考えられます。
世界にも名の知れた大企業でも、影響は免れられないでしょう。
また日本の株は世界中の投資家が買っていますが、
預金封鎖のニュースが流れた瞬間に株は売られ、
価値は大幅に下落することでしょう。
財産税で個人資産を没収される前に、
株価が暴落して資産価値がゼロに近くなる可能性も十分にあります。
また、1946年に預金封鎖が行なわれたときには、不動産も課税対象になりました。
たとえ預金が少なくても不動産を所持していれば税金が課せられたのです。
住宅ローンを利用して住宅を購入している方にも、預金封鎖は大きな影響を与えます。
金利は、国債価格とシーソーのようになっており、
国債の価格が下落すれば逆に金利は上昇します。
国債の価格は国の信用度によって上下するため、
預金封鎖が起これば一気に下落するでしょう。
すると、今度は金利が上がります。
日本の国債残高は現在、約926兆円です。
国民の財産を全て没収しても払いきれる額ではないことが分かります。
住宅ローンに利用される金利は、以下のような式でおおよその額が算出されます。
「長期金利=期待インフレ率+期待潜在成長率+リスクプレミアム」
これは、経済が安定しているときの式であり、
預金封鎖が起こるほど国の財政が悪化すれば、
一気に金利が上昇する可能性も十分にあるでしょう。
住宅ローンは変動金利と固定金利があり、変動金利の方が即影響を受けます。
ですから、低金利で長期ローンを組んでいる場合、
預金封鎖がおきたら一気に金利が急上昇することもあるでしょう。
預金封鎖は、住宅ローンの免責事項には入っていません。
もし預金封鎖が起こった場合、財産のほとんどを国に没収されたあげく
高い金利で住宅ローンを払い続けることになるかもしれません。
1946年に行なわれた預金封鎖の目的は、
国が個人の財産を没収して国家の財政を建て直すためだったことが、
後年の調査で分かっています。
個人が所有している財産そのものに課税する
「財産税」の導入を発表すれば、国民の反発は必至です。
国に奪われるくらいなら、財産を死に物狂いで隠そうとする人も出てくるでしょう。
そのため、当時の日本政府はまず預金封鎖を行なって財産の移動を防いだのです。
また、取り付け騒ぎが起きれば、銀行が倒産してしまいます。
預金封鎖のもう一つの目的は、取り付け騒ぎを起こさないことでした。
銀行は、経済の建て直しに欠かせない機関です。
当時の政府は、国民を犠牲にしても守りたかったのでしょう。
預金封鎖は、銀行の休業日に発表される可能性が高いです。
休業日であれば、取り付け騒ぎは起こせません。
現在なら、同時にATMも停止する可能性もあるでしょう。
企業への影響も考えたら、GWや正月休みなど長期休暇のときに発表される可能性もあります。
1946年に行なわれた日本の預金封鎖は、2月17日から始まりました。
預金封鎖をしている期間に、旧円から新円への切り替えが行なわれます。
1か月に世帯主で300円、世帯員は1人各100円だけ引き出すことができました。
一家四人だった場合は、500円引き出すことができたので、
「500円生活」という流行語までできたのです。
この時代の500円は、現在の価値にして約25万円程度でしたが、
当時は物価上昇率が300%を超えていたので、
庶民の生活は大変苦しかったといわれています。
預金封鎖と同時に、日本政府は財産税を制定しました。
この財産税は株式や不動産、金までも対象です。
戦争の最中、経済に詳しい人は一部の財産を金に変えて
すぐに持ち運べるようにしていましたが、日本政府はそれを見逃しませんでした。
その結果、日本は戦争で失った莫大な国家の財産を補てんすることができましたが、
その影には多くの人々が犠牲になりました。
当時の財産税は、10万円超の資産に対して掛けられました。
一律ではなく、最低で25%、最高で90%です。
10万円超の財産を現在の資産価値に直すと約5,000万円に相当します。
ですから、5,000万円以上の財産を持っている方は、25%の財産税がかけられ、
1億円以上持っている方は50%以上の財産税が掛けられたのです。
そして、10万円以下、5,000万円未満の財産は無税でした。
そう考えると、ほとんどの方に影響がなかったようにも思えます。
しかし、この財産税は個々の財産ではなく世帯の財産を合算して課せられました。
たとえば、夫名義の資産が2,000万円、妻名義の資産が1,000万円
どちらかの両親が同居しており、その財産が6,000万円あった場合、
1億円の総資産ということで55%が没収されたのです。
都内で一戸建てでも所有していれば、5,000万円は軽く超えてしまいます。
そう考えると、財産税がいかに理不尽なものか実感できるでしょう。
参考:https://www.mag2.com/p/money/23235/4
ここでは、預金封鎖から資産課税までの流れを大まかに説明していきます。
1946年の話しですが、近い将来同様のことがないとは限りません。
どのような流れで資産が国に没収されたのか、把握しておきましょう。
まずは、国が世帯ごとに持っている財産を合算します。
銀行預金、株式、不動産、ゴールドが対象です。
預金を動かそうにも封鎖してできません。
株式や不動産は登記や証書があるので隠すのは難しかったことでしょう。
次に、資産額に応じて段階的に税率を適用していきます。
生計を共にしている家族の財産は全て合算されるので、財産の名義を書き換えても無駄です。
また、財産税は全ての国民が対象ですから、赤の他人に預けてもダメです。
夫が3,000万、妻が2,000万円の財産を持っていた場合、
夫に15%、妻に10%が課税され合計で25%になるように調整されました。
課税が終ったら、家族の保有資産額に応じて各個人で税金を払うように求められます。
現金が手元にある人ならば良かったのですが、不動産だったり、
刻々と価値が変化していく株券だったりした場合は、大変だったことでしょう。
土地の場合は、「物納」ができたかもしれませんが、
いきなり大切な土地を奪われる悲しさは想像にかたくないです。
戦後、多くの「華族」が資産を失って没落していきましたが、
その原因のひとつが預金封鎖だったかもしれません。
預金封鎖の流れをご説明したことで、
預金封鎖、財産税の恐ろしさが分かっていただけたと思います。
日本は経済が不安定になっているとはいえ、まだ世界3位の経済大国です。
しかし、昨今の不安定な経済状況から、いつ何が起こるかは分かりません。
「住宅ローンは早めに返す」
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