『「最後の仕事」その5』ヒューマンネットワーク・メールマガジン(通号287号)

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2018/05/09号 ━━━

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 『相続の6つの物語』本郷 尚 著 
 日本経済新聞出版社刊(全国書店で販売中)より転載しています。
 https://www.amazon.jp/dp/B01KA008TC/

 ※弊社提携先、株式会社タクトコンサルティング会長で税理士の
 本郷 尚先生のご厚意により、著作を掲載いたします。
 長い物語ですので、数回に分けてお届けします。
 保存しながらお読みくださいますと幸いです。

 今までの配信分は、こちらをご確認ください。
 
 その4
 https://www.humannetwork.jp/mailmagazine/2018/04/286.html
 その3
 https://www.humannetwork.jp/mailmagazine/2018/04/285.html
 その2
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 その1
 https://www.humannetwork.jp/mailmagazine/2018/04/283.html


 「最後の仕事」その5

 城所はいたわるように言った。
 「こういうときこそ、ご主人の兄弟皆平等の原点に
 立ち返って考えてはいかがですか。」
 
 「でも、それでは和夫の最後の願いを聞き入れてやれないことになります」
 
 「和夫さんはご家族の将来を心配されている。
 それには他の形で応えることはできますよ」
 
 琴音は涙ながらに訴えた。
 「でも、死にゆく息子に、いったいなんと言ってやればいいのですか」
 
 「こう言えばいいのです、
 『安心していいよ。お母さんに全部任せなさい。
 家族のことはお母さんが引き受けるから、もう心配しなくていいよ』と」
 
 半年後、和夫は家族に見守られながら息を引き取った。
 子に先立たれた悲しみは予想以上に深く、
 琴音はなかなか立ち直れなかった。
 
 美也子は泣き崩れる琴音の肩を抱いて言った。
 「琴ちゃんにはまだやることがあるのよ。
 和夫ちゃんとの約束を果たさなくちゃ。憲作さんとの約束もね」
 
 そうだった。
 和夫の家族のこと。兄弟皆平等という夫の願い。
 どちらも私に託された最後の仕事だ。
 
 これまでも、ピンチのとき、
 美也子の言葉に励まされて何度も立ち上がってきた。
 琴音は背筋を伸ばし、
 和夫との約束を果たすために税理士の城所に連絡を入れた。
 
 具体的には、手厚い退職金と弔慰金で長男家族を支えることにした。
 退職金は〔最終月額報酬200万円×勤続年数40年×功績倍率2倍〕で計算し、
 1億6000万円が支払われた。
 憲作が子供たちを早くから役員にしておいたおかげで、
 勤続年数が40年になり、十分な退職金を払うことができた。
 
 弔慰金は〔最終月額報酬200万円×6ヵ月〕で1200万円とした。
 弔慰金は相続税法上非課税なので、そっくり家族の懐に入る。
 
 会社から1億7200万円を支払うことに付いては、
 弟たちも同意した。
 会社には、和夫を被保険者とする生命保険1億円が入金されたので、
 資金負担は少なかった。
 和夫の株は妻と子どもが引き継いだ。
 兄の家族を守るため、疎遠になっていた家族がまた結束した。
 
 長男家族の相続税についても城所税理士が面倒を見てくれた。
 和夫の妻の英子がほとんどの財産を相続したので
 相続税はわずかな額で済んだ。
 
 ちなみに配偶者が相続した場合、
 1億6000万円まで又は法定相続分まで、
 どちらかを選択でき、非課税になる。
 
 線香をあげに行った琴音に、嫁の英子は深々と頭を下げた。
 「お義母さんには何かに何まで助けていただきました。
 ありがたくて感謝の言葉もありません。
 これからも斉藤家の皆さんと一緒に生きてまいります。
 宜しくお願いいたします」
 
 
 「見事な采配ねえ。さすがだわ」
 美也子はこの顛末を聞くと、そういって琴音を労った。
 
 「これは税理士さんのおかげよ。
 それにね、私にはまだやることが残っているのよ。
 『兄弟皆平等』というお父さんの願いを叶えないと、
 向こうでお父さんに叱られてしまうもの」
 
 「どうするつもり?」
 答を聞いて、美也子はのけぞらんばかりに驚いた。
  琴絵は今、税理士の城所と一緒に会社を売却する計画を詰めているという。
 
 城所から何度も「本当によろしいのですね」と言われたが、
 会社を売却して現金で分けることが
 「兄弟皆平等」を実現する最良の手段であり、
 自分の最後の仕事だと琴音は確信している。
 
 税金や経費はかなりかかりますが、それでも実行されるのですね」
 城所は念を押した。
 
                    続く


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 著者 本郷 尚(ほんごう たかし)氏
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 税理士。株式会社タクトコンサルティング会長。
 不動産活用、相続、贈与、譲渡など資産税に特化した
 コンサルティングを展開。
 また、著書やセミナー等のあらゆる機会を通じて、
 相続対策の新しい考え方の普及にも力を入れている。

 昭和48年税理士登録。
 昭和50年本郷会計事務所開業。
 昭和58年株式会社タクトコンサルティング設立。
 平成15年税理士法人タクトコンサルティング設立。
 平成24年株式会社タクトコンサルティング会長に就任。

 「こころの相続 幸せをつかむ45話」、
 「改訂新版 がんばれ大家さん!」、
 「不動産M&A入門」他、著書多数。


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