2025年05月20日 ※税法上の取扱いについては、ブログ投稿時の税制によるものです。
ゴールデンウィーク中にある本を読みました。
かつてゴールドマンサックスの日本法人で統括を務められていた、
田中渓さんという方が書かれた『億までの億からの人』という本です。
ご自身が富裕層と日々接する中で感じ取った
「富裕層の思考」や「行動習慣」を、
わかりやすくまとめた内容でした。
経営者として参考になる視点が多く、
非常に印象に残ったので紹介させていただきます。
中でも私が「なるほど」と膝を打ったのが、「複利」についての解説でした。
複利とは、利息が元本に加わることで、それにまた利息がついていく。
つまり、"成果が成果を生む"という仕組みです。
例えば、100万円を年利5%で複利運用したとすると、
30年後には432万円以上になります。
単利であれば250万円程度にしかなりません。
このことから、複利の力は「時間」と組み合わさることで、
加速度的な成果を生み出すことがわかります。
この"複利の力"は、お金に限った話ではなく、
人の能力や努力にも通じる概念だと私は感じました。
実際、書籍の中でも「毎日の小さな努力が、将来的に圧倒的な差を生む」
という趣旨の話が紹介されています。
そこで私は、実際にどれほどの差が生まれるのか、
気になって試算してみました。
仮に、初期能力が同じ「100」の状態からスタートする
2人の人物がいたとします。
・Aさんは「毎日1%だけ成長しよう」と意識して行動する人。
・Bさんは「1%くらい手を抜いてもいいか」と思って過ごす人。
この2人が365日を過ごすと、次のような結果になります。
・Aさん:100 × (1.01)^365 ≒ 3,778
・Bさん:100 × (0.99)^365 ≒ 2.5
わずか1%の差が、1年後には1,500倍近い差を生んでしまうのです。
さらに怖いのは、「あとから取り返そう」としても簡単には追いつけないことです。
仮にBさんが1週間(7日間)サボったとすると...。
7日後、Aさんは約107.2
一方、Bさんは約93.1
すでに14ポイント以上の差が生まれています。
ここでBさんが反省し、「明日から2%ずつ成長しよう」と決意したとしても、
Aさんに追いつくには2倍の努力を14日間続ける必要があるのです。
つまり、1週間サボると、それを取り戻すには、
2倍の努力と2倍の時間がかかるということです。
私はこの計算結果を見て、経営にも通じる大きな学びを得ました。
「たかが1日、たかが1%」と油断した習慣が、
後々になって想像以上の労力を強いられる
それが複利の本質なのだということを...。
物理学者アインシュタインの言葉を借りれば、
「複利を理解する者は利益を得、理解しない者は利息を支払う」
経営もまさに同じだと感じます。
日々の意思決定や、目に見えにくい積み重ねが、将来の大きな差を生む。
そのことを、改めて気づかされました。
だからこそ私は、「たった1%」の成長を侮らず、
日々の努力の継続を意識していきたいと思いました。
もちろん、今回の計算は理論値にすぎません。
現実はもっと複雑で、結果がすぐに見えるわけでもないでしょう。
それでも、考え方として、
この「複利の力」は非常に示唆に富んでいると思い、
ぜひ共有したく、この場を借りてご紹介させていただきました。
お気軽にお問い合わせできるよう複数の窓口を用意しております。