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『「最後の仕事」その3』ヒューマンネットワーク・メールマガジン(通号285号)

メルマガの一部を公開しています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2018/4/18号 ━━━━

 日本全国11,042人の経営者へ配信中!
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 経営課題解決を応援するメールマガジンです!


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 ■□■経営に役立つ書籍から■□■


 『相続の6つの物語』本郷 尚 著 
 日本経済新聞出版社刊(全国書店で販売中)より転載しています。
 https://www.amazon.jp/dp/B01KA008TC/

 ※弊社提携先、株式会社タクトコンサルティング会長で税理士の
 本郷 尚先生のご厚意により、著作を掲載いたします。
 長い物語ですので、数回に分けてお届けします。
 保存しながらお読みくださいますと幸いです。

 今までの配信分は、こちらをご確認ください。
 
 その2
 https://www.humannetwork.jp/mailmagazine/2018/04/284.html
 その1
 https://www.humannetwork.jp/mailmagazine/2018/04/283.html


 「最後の仕事」その3

 半年後、琴音は第一線を退き、
 長男の和夫が代表取締役に就いた。
 1年も経たないうちに、
 和夫は琴音が会社に頻繁に顔を出すのをいやがるようになった。
 
 「会社は私に任せてほしい。
 ベテランの社員もいるし、大丈夫だから」
 
 琴音は口を出したい気持ちを抑え、和夫に任せることにした。
 多少の失敗は仕方がない。
 それも経験だと思っていた。
 だが、事態はもっとひどかった。

 ある夜遅く、ベテラン社員の山根宗一が琴音の自宅を訪ねてきた。
 「告げ口のようで恐縮ですが、皆、社長に不満が溜まっています。
 業績も落ちるばかりです。
 なんとか琴音さんに会社に戻っていただきたいと、
 皆を代表してお願いにきました」
 
 和夫は社長の座に就くと、
 自分の報酬を月額50万円から150万円に引き上げた。
 琴音は呆れたが、黙っていた。
 
 「そんなことはいいのです」
 と山根は言い、続けた。
 「一番の問題は、テナントさんや業者さんに対して
 頭を下げてくださらないことなのです。
 先だっても山内産業の総務部長の山梨さんと口論になりまして、
 山内産業から退去予告が出ました」
 
 山内産業は、斉藤ビルのメインテナントで、
 4フロアを借りていいる。
 もう20年来のテナントだ。
 琴音は顔から血が引くのを感じた。
 
 山内産業に出ていかれたら大打撃だ。
 短期間に4フロアを埋めるのは不可能に近い。
 退去時に返還しなければならない敷金・保証金も数千万円になる。
 
 「一体、何があったの。口論の原因は?」
 
 「先方から賃料減額の要望が出てきたところ、
 社長が山内産業の山梨部長を呼びつけて頭ごなしにはねつけたのです」
 
 「まあ、なんていうことを!」
 
 こういうご時世だ。
 テナントから賃料減額の要望が出ることは致し方ない。
 それをどの線で双方丸く収めるかが交渉というものなのに・・・。
 しかも、テナントの総務部長を呼びつけるなど言語道断の振る舞いだ。
 
 「私が明日朝一番に、山内会長にお詫びにあがりますよ」
 
 「それをうかがってほっとしました。
 ですが、これは氷山の一角なのです」
 
 1階の珈琲店から「排水が詰まり汚水が逆流している」
 とクレームが入ったときも、
 和夫は「どちらの責任かはっきりするまで絶対に謝るな」
 と社員に厳命した。
 修理業者も「一番安いところを選べ」
 と指示したために対応が遅れ、話がこじれた。
 
 「和夫さんは・・・、いえ、社長は、
 私たちがテナントさんや取引業者さんに頭を下げて、
 いつもありがとうございます。お世話になります。
 と言うことさえ気に入らないのです」
 
 和夫の論理では、
 「ビルを貸してやっているのに、
 なぜ頭を下げる必要があるのだ」となる。
 
 琴音は、不肖の息子に対する恥ずかしさと
 社員に対する申し訳なさで首元まで赤くなった。
 社長を任せて3年になるが、業績が下がっている理由がはっきりとわかった。
 
 チャンスも時間も与えたのに、
 和夫は誰からも何も学ばなかった。
 いや、もっと悪い。学ぼうとさえしなかったのだ。
 琴音は和夫から実権を取り上げる決意をした。
 
 山根に3年間の決算書類や修繕履歴、
 クレーム対応などの記録をコピーして持って来させた。
 そして一週間かけてすべて読み込んだ。
 和夫がこの商売に向いていないことは明白だった。

                    続く


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 著者 本郷 尚(ほんごう たかし)氏
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 税理士。株式会社タクトコンサルティング会長。
 不動産活用、相続、贈与、譲渡など資産税に特化した
 コンサルティングを展開。
 また、著書やセミナー等のあらゆる機会を通じて、
 相続対策の新しい考え方の普及にも力を入れている。

 昭和48年税理士登録。
 昭和50年本郷会計事務所開業。
 昭和58年株式会社タクトコンサルティング設立。
 平成15年税理士法人タクトコンサルティング設立。
 平成24年株式会社タクトコンサルティング会長に就任。

 「こころの相続 幸せをつかむ45話」、
 「改訂新版 がんばれ大家さん!」、
 「不動産M&A入門」他、著書多数。


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