第2の人生のための資産を残したい CASE 08

夫の急逝によって社長に

「『会社のことは私たちがうまくやりますから、奥さんはただ座っているだけでいいんです』。そう役員たちに説得されてお飾りの社長に。ところが役員たちが好き勝手に経費を使った結果、経営がうまくいかなくなって倒産。そういう事例も多いんですよ」
コンサルタントの話を聞きながら、若槻社長(仮名59歳)は胸をなでおろしていた。
「私はちゃんと経営できているほうかもしれないな」と。

首都近郊の県で、小さな建築・土木会社を立ち上げたのは夫だった。
県内を中心に少しずつ仕事が増え、5年ほど前からオリンピック特需も影響して業績が伸び始めた。
ところがその矢先、急病で夫は倒れ、帰らぬ人となった。経理として会社に関わっていた夫人は、夫の持ち株を受け継いだものの、社長になるとは夢にも思っていなかった。

しかし、社員たちから「ほかにいません」との強い要望を受け、やむなく社長に就任。
それからの5年間はあっという間に過ぎて行った。業績を大きく伸ばすことはできなかったものの、売上が減少することもなかった。
しかし60歳の誕生日をひかえ、若槻社長は大きな迷いを感じていた。

ほんとうにこのままの人生でいいのだろうか?

自分は社長をやりたいわけではない。60歳を過ぎたら、会社を手放して自由になりたい。
「自分がやりたいことをしたい」という想いが日に日に強くなっていった。

第2の人生のための資産を残したい

不動産ごと売ればいいのか?

「会社を売ってしまえばいいんですよ」。銀行の融資担当者につい、グチのように自分の考えをもらしたところ、M&Aを勧められた。最近この銀行でもM&A事業を始めたとのことで、担当者がすぐに飛んできた。

担当者によれば、かなり高い価格で売れそうだという。会社として都内の一等地に不動産を所有していたからだ。
しかし、そんなに簡単に、なにもかも売却していいのだろうか?
長年、会社の経理を担当してきた経験から、売却時の税金も気にかかった。

そこで、若槻社長は会社の承継問題に強いコンサルタントを探して相談することに決めた。
幅広い視点で、今後の会社のあり方についてアドバイスしてほしかったからだ。
それに、いきなりM&A仲介会社に相談するのにも抵抗があった。「どこの仲介会社が信頼できるのかもわからないし…」。

コンサルタントは若槻社長の話を聞き終えると、「建築・土木事業の会社と、不動産の管理会社。会社を2つに分けてはいかがですか。建築・土木事業の会社を売却して、不動産を管理する会社は社長の手元に残すようにすれば、将来にわたって安定した収入を期待できます。老後の不安も一掃できると思いますよ」と提案した。

会社を2つに分けて売却する!このアイデアは若槻社長にはなかった。
コンサルタントの説明によれば、仮に不動産ごと会社を売却しようとした場合、価値の高い物件なので、会社の売却価格は高くなる。悪いことでないように思えるが、買い取ってくれる企業が見つかりにくくなってしまう。
さらに心配なのが、もし相手が不動産目当で会社を買うような企業であった場合、本業の建築・土木事業がおろそかにされる可能性がある。従業員の将来を考えたら、これだけはどうしても避けたかった。

土木・建築部門を事業として売却し、不動産管理専業として会社を残す方法もある。
しかし、それでは売却益は会社に入ることになり、法人税がかかる。
土木・建築部門を会社単位で売却すれば、個人に売却益が入る。課せられるのは所得税(譲渡所得20%分離)なので、法人税より低額。若槻社長の手元に入るおカネを最大化するのにいちばんいい方法であった。


社員たちの将来の不安も消える

会社を建築・土木事業の会社と、不動産管理会社の2つに分ける。分けてもオーナーが若槻社長であることは変わらないので、その後建築・土木事業の会社だけを売却。不動産管理会社は若槻社長のプライベートカンパニーとして維持する。不動産の賃貸収入が継続的に入ってくるので、老後の生活費にそれをあてる。

そのような方向でコンサルタントに調整をお願いした。そしてM&A仲介会社と専任契約を結び、相手企業を探してもらったところ、県内の大手建築会社が買い取ってくれることが決まった。

社名こそなくなってしまうが、従業員の勤務地も待遇も変わらない。
大手企業の傘下に入ることで福利厚生も充実し、社員たちの将来も安泰となった。

不動産管理会社をプライベート企業として残したことで、将来的な資金の不安はない。
それならば株を売却した資金を使って、念願の田舎暮らしにチャレンジしてみようか。
ドッグランにできるような広い庭があれば、我が家の犬たちも喜ぶに違いない。
週末だけ、喫茶店を営業するのもいい。若槻社長の第2の人生が始まろうとしていた。

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